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【シリーズ5-2】2020年度の中小企業の動向

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2020年は、連日のマスコミによる報道で、新型コロナウイルスに対する過剰な不安や恐れを持たされて私たちは思考停止状況になりました。1年半以上の不自由な生活を強いられたため(今後もまだ続く可能性がありますが)、日本の経済はどのようになっているのでしょうか。

この記事を読むとどうなるの?

2020年は、新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、日本の経済にどのような影響を与えたのかを理解できます。感覚ではなく、図表や数値で読み解きながら実態を把握していきます。シリーズ全てを読んでいただければ全体像がつかめます。中小企業の経営者や幹部に人に向けて記事を書いています。中小企業経営者・幹部の方々の一助になれば幸いです。

2020年度の中小企業の動向

中小企業・小規模事業者の現状その1

1,業況

図表2-1新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響

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20%には影響が出ていないが、80%の事業者は大幅な影響を受けています。

図表2-2企業規模別業況判断DIの推移

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図表2-2をご覧ください。

最初の落ち込みは、2008年9月のリーマンショック

2番目の落ち込みは、2011年3月の東日本大震災

3番目の落ち込みは、2014年4月の消費税5%から8%への引き上げ

4番目の落ち込みは、2019年10月の消費税8%から10%への引き上げに続いた今回の感染症流行による経済活動の停滞です。

リーマンショックを超える大幅な低下となっています。

図表2-3業種別業況判断DIの推移

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この図表も2020年第2四半期は、リーマンショックを下回る水準になっています。サービス業の落ち込みとともに欧米諸国のロックダウンによる需要の消滅で製造業も大きく下回っています。唯一建設業だけがリーマンショック程影響をうけていません。

図表2-4業種別業況判断DIの推移(サービス業)

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2020年第2四半期に最も大きく低下したサービス業は、宿泊・飲食業です

2,業績

中小企業の売上高と経常利益の状況を見てみましょう。

図表2-5企業規模別売上高の推移

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青線が中小企業です。中小企業の売上高は、2009年リーマンショックで大きく落ち込み、回復してきたら2011年東日本大震災で2年間売上高が低下し続け、2013年からは低下したままで横ばいで3年推移し、2016年半ばから増加に転じましたが、2019年の消費税10%への増税から落ち込み、今回の感染症流行で売上高が急激に低下しています。

図表2-6企業規模別経常利益の推移

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図表2-5と図表2-6を見比べて下さい。

中小企業の経常利益は、リーマンショック後に落ち込みましたが、その後は緩やかな回復基調が続いています。 売上高は上下していますが、経常利益が安定しているという事は、会社の中はどうなっているのか推測できます。

従業員への賃金を押さえることによって利益を出す。

本来必要な設備投資や研究開発を先送りにして利益を出す。

会社の将来を考えた前向きな投資をしないことにより利益を捻出していると考えられます。

図表2-7業種別に見た、中小企業の売上高の前年同期比

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2020年第2四半期は、経済の流れの鍵である物流が▲10.9%で、日本経済ストップの状態でした。

3,設備投資・ソフトウェア投資

図表2-8企業規模別設備投資の推移

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中小企業(青線)を見ると東日本大震災以降の売上低下していた時期に設備投資が大きく落ち込んでいない理由は、2012年からのものづくり補助金を活用して設備投資している中小企業が増えたためであると考えます。

図表2-9中小企業の設備投資計画

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2020年(緑線)は、例年よりも低い水準で感染症による先行きの見通しができないために慎重になっているためです。

図表2-10中小企業のソフトウェア投資計画

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図表2-9と見比べていただくと明らかに違いが見られます。設備投資は前年比マイナスの水準で推移していますが、ソフトウェア投資は前年度を上回って投資をしています。2020年の苦しい中でも前年度対比▲4%です。ソフトウェア投資の重要性が高まっていることがわかります。 

 

次回は、資金繰りや休廃業、商店街の今後求められる姿等について書いていきます。

引き続き読んでいただければ幸いです。

 

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