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【シリーズ5-2】感染症の影響を踏まえた中小企業の経営戦略

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2020年は、連日のマスコミによる報道で、新型コロナウイルスに対する過剰な不安や恐れを持たされて私たちは思考停止状況になりました。1年半以上の不自由な生活を強いられたため(今後もまだ続く可能性がありますが)、日本の経済はどのようになっているのでしょうか。

この記事を読むとどうなるの?

2020年は、新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、日本の経済にどのような影響を与えたのかを理解できます。感覚ではなく、図表や数値で読み解きながら実態を把握していきます。感染症流行後の事業環境に適応するために財務基盤を強化して前向きに回復していくためにはどんな戦略が必要なのかを考えます。中小企業の経営者や幹部に人に向けて記事を書いています。中小企業経営者・幹部の方々の一助になれば幸いです。

新型コロナウイルス感染症が与えた影響と資金調達の動向

1,感染症が売上高に与えた影響

①2020年の売上高

図表2-1 2020年の売上高(業種別)

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宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業が売上高減少のベスト3です。一方、建設業は、あまり影響を受けていないことがわかります。

図表2-2 2020年売上高(業種別・地域別)

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2020年4月から5月の緊急事態宣言の発令期間が他府県と比べて長かった9都道府県とその他の府県を比較しています。感染拡大9都道府県は、都市圏で経済力もその地域で大きい都市ばかりでしたから、宿泊業はその他の府県の方が影響が大きく、飲食サービス業は都市圏に多く分布するので都市圏の消費者の行動自粛で感染拡大地域の方が売上高が減少しています。

図表2-3最も売上高が減少した月

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2020年1月から10月のうち最も減少した月を見たもので4月及び5月で宿泊業、飲食サービス業が8割超影響を受けて、7月に建設業、製造業、卸売業が4割程影響を受けました。

2,感染症流行の影響を踏まえた資金繰り支援

①給付金・助成金

図表2-4持続化給付金の給付件数の推移

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持続化給付金は、2020年5月1日に申請開始し、2021年2月末時点で423万件、5.58兆円の給付が行われています。

図表2-5家賃支援給付金の給付件数の推移

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家賃支援給付金は、2020年7月14日に申請開始し、2021年2月末時点で101万件、8800億円の給付が行われました。

図表2-6雇用調整助成金の支給決定件数の推移

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雇用調整助成金は、2020年1月24日以降の期間に影響を受けた事業者に特例措置を講じて2021年2月末時点で267万件、2.9兆円の支給がされました。

②融資・保証・条件変更

図表2-7政府系金融機関における融資承諾件数の推移

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㈱日本政策金融公庫は、「セーフティネット貸付」に加えて2020年3月17日に「新型コロナウイルス特別貸付」の取り扱いを始めました。

図表2-8信用保証協会の保証承諾件数の推移

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信用保証協会は2020年5月1日から民間金融機関における実質無利子・無担保融資制度が立ち上がって申込件数が急増しました。

図表2-9貸付条件変更の申込み・実行件数の推移

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金融機関による資金繰り支援には、新規融資の実施のほかに、既往債務の条件変更もあります。実行率がともに99%を超えていますので、金融機関はほとんど申込を断っていないことがわかります。

③中小企業における支援策の活用状況

図表2-10感染症流行後に活用した支援策(従業員規模別)

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図表2-11感染症流行後に活用した支援策(業種別)

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どちらの図表も同様ですが、持続化給付金、雇用調整助成金、地方自治体による補助金・支援金、政府金融機関による実質無利子・無担保融資、民間金融機関による実質無利子・無担保融資を利用しているのがわかります。宿泊・飲食・生活関連サービス業でGoToキャンペーンを活用しています。

 

次回は、感染症流行下での中小企業の資金繰りについて書きます。引き続き読んでいただければ幸いです。

 

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