2020年は、連日のマスコミによる報道で、新型コロナウイルスに対する過剰な不安や恐れを持たされて私たちは思考停止状況になりました。1年半以上の不自由な生活を強いられたため(今後もまだ続く可能性がありますが)、日本の経済はどのようになっているのでしょうか。
この記事を読むとどうなるの?
2020年は、新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、日本の経済にどのような影響を与えたのかを理解できます。感覚ではなく、図表や数値で読み解きながら実態を把握していきます。感染症流行後も競争力を保ちながら事業継続していくためにデジタル化をどのように取り込んでいけばよいのか、またどんな戦略が必要なのかを考えます。中小企業の経営者や幹部に人に向けて記事を書いています。中小企業経営者・幹部の方々の一助になれば幸いです。
中小企業のデジタル化推進に向けた課題
図表4-1デジタル化推進に向けた課題(業種別)
全産業で「アナログな文化・価値観が定着している」が最も多く、次に「明確な目的・目標が定まっていない」、「組織のITリテラシーが不足している」となっています。
「卸売業」や「建設業」では、「長年の取引慣行に妨げられている」、「宿泊業、飲食サービス業」では「資金不足」を回答する企業が3割強存在しています。
図表4-2デジタル化推進に向けた課題(従業員規模別)
従業員数の多い企業ほど、アナログな文化・価値観の定着や組織のITリテラシー不足、長年の取引慣行といった課題を挙げる傾向にあり、変革に向けた組織の適応力に課題を抱えている企業が多いことを示しています。
従業員数の少ない企業では、明確な目的・目標が定まっていないことや資金不足といった課題を挙げる傾向にあり、組織体制の課題を抱えている企業が多いことを示しています。
図表4-3デジタル化推進に向けた課題(デジタル化推進による効果別)
効果が出なかったと実感している企業は、効果が出たと実感している企業と比べて、明確な目的・目標が定まっていないことや資金不足を挙げる割合が高い傾向にあります。
効果が出なかったと実感している企業では、アナログな文化・価値観の定着を挙げる割合が半数を超えていることも確認されます。
中小企業におけるデジタル化に向けた組織改革
1,デジタル化推進に向けた意識改革
図表4-4デジタル化に対する社内の意識
デジタル化に積極的に取り組む企業とデジタル化への抵抗感を持つ企業が半々です。
図表4-5デジタル化に対する社内の意識別、デジタル化推進による業績への影響(業種別)
デジタル化に取り組むことに対して積極的な企業は、消極的な企業よりの業績にプラスの影響を及ぼしている割合が高い傾向にあります。
図表4-6労働生産性の水準(デジタル化に対する社内の意識別)
デジタル化に積極的に取り組む文化が定着している企業の労働生産性は高いです。デジタル化に抵抗感が強い企業との労働生産性は、2,791千円/人違います。かなり差がでますね。
図表4-7デジタル化推進による業績への影響(試行錯誤を許容する組織風土の有無別)
図表4-8デジタル化の取組による効果(試行錯誤を許容する組織風土の有無別)
試行錯誤を許容する組織風土がある企業は、試行錯誤を許容する組織風土が薄い企業に比べて業績とともに効果が出た割合が高いことがわかります。
図表4-9デジタル化推進による業績への影響(経営者の関与度別)
デジタル化に関しては経営者の年齢によって対応が異なり、個人差はありますが一般的に60歳以上の経営者は自分があまり詳しくない場合、部門責任者に任せてしまいがちですが、経営者がある程度関与することが重要であることを示しています。
図表4-10デジタル化推進に対する経営者の関与度別、デジタル化推進による業績への影響(業種別)
業種に関わらず、デジタル化の推進において、経営者が積極的に関与している企業は、部門責任者に一任して関与していない企業と比較して、業績にプラスの影響を及ぼしている割合が高い傾向にあります。
図表4-11デジタル化推進に対する経営者の関与度別、デジタル化推進による業績への影響(従業員規模別)
従業員規模に関わらず、デジタル化の推進において、経営者が積極的に関与している企業は、業績にプラスの影響を及ぼしている割合が高いことがわかります。
社員は、社長の行動を見て仕事の重要度を決めているといえます。
社長の意気込みや行動で業績が変わりますね。
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